会社を経営していく為には、いくつもの戦略を立てたがら商品やサービスを売り出していく必要があります。
また、精度の高い戦略を立てる為には、市場調査や競合他社との差別化、ベネフィットの追求、マーケティングなど数え切れないほど多くの作業や調査を行わなければなりません。
その中で会社の進むべき方向性の大枠を決めるのが「経営戦略」と「営業戦略」の2つになります。
では、その経営戦略と営業戦略はどのように違うのでしょう?
ざっくりと言うと、経営戦略は会社の目標やゴール、進むべき方向性を定め、それらを達成する為の戦略を考えること………です。
総じて社長や役員マターということになります。
一方、営業戦略は経営戦略で定められた、目標やゴール、方向性に到達する為の具体的な手段を決めること……となります。
これらは担当部長・課長マターということになるのが一般的です。
言わば経営戦略は、
近未来に向けて会社が進むべき方向性を定め、そしてそれに対する目標値を設定し、主な方法を考えること……
営業戦略は、それを達成する為の具体的な手段を決め、実行すること………という訳です。
例えば、貯蓄で例えると、近未来やって来るであろう老後の為に、いつまでにいくら貯金をするのかを設定し、その貯金を増やす為の主な方法を考えるのが経営戦略となります。
・なぜ?近未来に向けて貯蓄が必要なのか?
・なぜ?その目標額なのか?
・貯蓄の主な方法として先行投資をすべきか?
・主な先行投資をせずに貯蓄すべきか?
そして営業戦略で考えなくてはならないことは、その定められた期限までに、定められた目標額を達成する為には具体的にどうすればよいのか?を考え決定し、実行することになります。
例えば、経営戦略で主な方法が先行投資により貯蓄を増やすという方向性が出た場合……
手段としては……
・株の運用
・FXの運用 など
……ということになるでしょう。
その手段の中から選択をし、実行をする…
そして活動のPDCAを回しながら期限までに目標額を達成して行くということになります。
また、経営戦略で先行投資はせずに貯蓄を増やすという方向性が出た場合……
手段としては……
・アルバイトをする
・節約をして出費を減らし貯金に回す など
……ということになるでしょう。
これも上記のように活動のPDCAを回し達成して行くということになります。
このように、経営戦略における達成の為の主な方法によって営業戦略の手段は異なります。
特に経営資源に限りがある中小企業の場合、何より営業戦略が重要です。
限られたリソースの中から、効率よく、最大の利益を作り出す為のカギとなるのが、実働部隊である営業部隊だからです。
従って、中小企業の場合、経営戦略と営業戦略という区別よりも、経営戦略と営業戦略の中間に位置する「事業戦略」を重要視することが望ましいと考えます。
経営戦略を設定する社長や役員は、少し川下へ……そして営業戦略を考える部長や課長は少し川上に上ることで、社長や役員、部長や課長、事業戦略という同じ土俵で考え議論できます。
それにより、共有化され、腹落ちがし易くなり、具体的策の立案→実行にも主体性が出てくるというものです。
因みに、事業戦略とは…………
『営業戦略を含む、ビジネスモデルの設定やプロモーションの方法を検討・思案する段階……
事業の販促活動を行う為の基本的な戦略を思案する段階…』
……これが事業戦略です。
経営戦略と営業戦略の違いは明確ではありますが、経営資源に限りがある中小企業の場合、「事業戦略」を経営者も実働部隊も一緒に議論し作り上げる………………
そして実際の活動手段に落とし込む…………
これが激動、変化の早い時代には有効であると考えます。