【第12弾】利益向上大作戦~4つの方法~

企業の目的は万国共通‥‥‥営利(営業利益)目的です。

ボランティア活動ではない以上、ここに対して疑う余地は存在しません。

営業利益を年々高めていく‥‥‥この為の企業活動を日々私達は行っているのです。

では、その営業利益を高める手段としてはどのような方法があるのでしょう?

一般的には、4つの方法があります。

⑴ 販売数量を増やす
販売数量を増やすという事は、
既存顧客で 増やすのか?
新規顧客で増やすのか?
はたまた、両方で増やすのか?

⑵ 販売単価を上げる
既存商品の単価を上げるのか?
新商品で単価を上げるのか?

⑶ 仕入価格を下げる

⑷ 経費の削減

この4つです。

簡単に言うと、
売上を上げる(販売数量の拡大・新規顧客の創造)
利益改善を行う(売価転嫁・コストダウン)
経費削減
営業利益を向上させるには、これらの目標を基に、その為の活動をする‥‥
これが企業活動という事になります。

では、どの方法が最も有効的なのかを検証して見ましょう!

【モデルケース】
 ●平均売価 30,000円
 ●平均仕入価格 20,000円
 ●販売数量 4,000個
 ●経費 3,900,000円

上記のような会社があったとします。

その損益分岐点は以下のようになります。

  売上高 12,000,000円
  仕入高     8,000,000円
  粗利益     4,000,000円
  経費         3,900,000円
  営業利益     100,000円

今期、この会社の営業利益は10万円という事になります。
会社は年々、営業利益を向上させて行かなければならない‥‥‥という事で、来期の目標を営業利益20万円‥‥今期の倍に設定したとして、上記の4つの方法について、どれが有効的なのかを検証して見ます。

① 販売数量を3%増やした場合
今期4,000個でしたので、営業は来期、既存顧客・新規顧客に向け、4,120個販売活動をしなくてはなりません。
その活動が達成されたとして計算しますと、営業利益は22万円になります。

② 売価を3%上げた場合
今期3万円でしたので、営業は顧客に売価転嫁をお願いし、30,900円で同じ数量を販売活動する事になります。
それを計算しますと、営業利益は46万円となります。

③ 仕入価格を3%下げる
今期2万円でしたので、購買部門はコストダウンを要求し、その活動が達成されれば19,400円で仕入れる事になります。
それを計算しますと、営業利益は34万円となります。

④ 経費を3%削減する
今期390万円でしたので、管理部門は様々な経費の見直しを行い、即座に実施する事になります。
経費の場合、3%程度の削減であれば、元来十分可能です。
それを計算しますと、営業利益は217万円となります。

一度、自身でも上記に当てはめながら計算をすると、より理解出来ると思います。

このような検証から、全ての方法を関連部署において其々目標を設定し、各々が活動・実施する事は営業利益を向上させる事に繋がりますので当然ながら自身の仕事として進めなくてはなりません。

しかし、その中でもやはり有効的な手段は、利益率(売価転嫁・コストダウン)の改善‥‥‥‥‥これが最も効果があるという事がお分り頂けるのではないでしょうか。

同じ3%でも格段の差があります。

一様に売上への意識は皆さん、それなりに高い意識として持っています。

しかし、利益率となると少し希薄‥‥‥こんな感じではないでしょうか。

企業は営利目的‥‥‥‥
最大の目標は営業利益を達成する事‥‥‥‥‥
その為の手段として、
売上を上げる‥‥利益改善を行う‥‥経費削減をする‥‥‥‥‥‥
その中の最も有効な手段は利益改善‥‥‥‥‥‥‥‥‥
この意識を高めなければなりません。

よって、利益率は少数第2位を四捨五入して、コンマ1の値まで、しっかりと出すようにし、常に、利益率を意識して活動をする必要があります。

従って、計画を作成する場合、まずは足元の利益率はどうなのか?を
徹底的に検証・分析をする必要があります。

次いで、売価転嫁が出来るのか?出来るのであれば何%なのか?
コストダウンが出来るのか?出来るのであれば何%なのか?

この辺りの検証も重要になって来ます。

これらを基に、利益率からの営業利益目標を設定し、それを達成する為の方法を具体的に紐解いて行く‥‥‥‥‥‥これが活動計画へと落とし込まれるという訳です。

利益率は企業価値と言っても過言では、ありません。

そこの企業にしかないモノで、且つ皆んなが欲しいと言えば価値は自ずと上がります。

供給が少なく、需要が多いという事です。

足元の利益率改善、販売数量の拡大、経費の削減は企業として毎期取り組んで行かなければなりませんが、長期的に見ると、如何にして企業価値を上げるのか?も並行して進めて行かなければならない課題です。

短期的視点‥‥‥‥長期的視点‥‥‥‥
共通するキーワードは「企業価値の向上」です。

実はこれが利益向上における最大の作戦なのです。