コラム【第39弾】 企画力 3つの極意

デジタルマーケティングの戦略家レベッカ・リーブ氏は、コンテンツマーケティングの極意として、『Thing Like a Publisher』(編集者のように考えよう)と唱えています。

編集者は様々な情報や記事の中から、取捨選択をし、要点や見せ方を赤入れし、掲載順や掲載ページ数などを決定し、読者に刺さるような書籍にしなければなりません。

商品製作で言うと、言わば商品プランナーのような存在です。

全体を俯瞰し、集めた情報から、真っ白なキャンパスに絵を描く……そして見る方々を楽しませる……こんな役割です。

その編集者の考え方・進め方を理解し、実践していく事で企画力が向上すると考えられています。

それを踏まえた上で、編集者の極意3つのステップをご紹介します。

① インプット情報の収集と精度
何はともあれ、記者から情報(記事)を収集しなくてなりません。
それも沢山あればある程、取捨選択をする事が可能になり、より研ぎ澄まされた情報を載せる事ができます。

また、その情報の精度がどれぐらいのものなのか?を確認する事も必要です。

裏付けのない情報や曖昧な情報、漠然とした情報では幾ら沢山あっても精度が低く、読者に刺さる企画には結びつきません。

何をするにも、まずはインプット情報の収集量と精度が重要なのです。

そして、その精度を上げる為には、最低限 聞かなくてはならない項目や情報も去る事ながら、予め最終ゴールを想定しながら、質問をし、情報を集める事が大事です。

このゴールからの逆算…俯瞰的に見た上での情報収集により、精度は格段に上がります。

また、このような思考は、プロセスを進めて行く上で「ボタンの掛け違い」を防いでくれたりもするものです。

② 仮説(構想)立案
次にインプット情報を受け、どのような切り口で書籍をまとめれば読者に響かす事ができるのか?の構想を練らなければなりません。

できれば1つだけでは無く、何パターンもの構想を練るのが望ましいと言えます。

この構想が無く、作業として集められた記事を、ただ単に載せている……という事では脈絡の無い書籍になり、読者に響く事はありません。

③ アウトプットの精度
そして、集めた情報…構想……それをどう表現するのか?が最も大事かもしれません。

幾ら集めた情報の精度が高く、構想も素晴らしい………としても最後のアウトプットの精度が低いと元の木阿弥です。

どのような見せ方・表現をすれば読者に刺さるのか?を考えなければなりません。

これには、ある程度の手順書は用意できると思いますが、属人化する部分も多く、日頃の積み重ね…経験値が必要となります。

人は中々ゼロから1を生み出す事は出来ません。
いつかどこかで見聞きしたものが、頭の引き出しに入っていて、それを表現している事がほとんどです。

従って、様々な書籍を見たり、街の風景や建物、展示物を見たり、映画や演劇を見たり、美術館や博物館に行ったり、様々な商品を見たり……と日頃から様々な表現をしたものに触れ合う事が重要なのです。

そして常に疑問を持つ事です。

何故?このような表現方法にしたのだろう?

何故?何故?何故?

何故を5回繰り返えすと、そのものの本質を見抜く事ができる………又は、問題や課題に対しても何故を5回繰り返す事で、真の原因を究明できると言われています。

このような習慣を身に付けることで、本質を理解し、それに対する解決策を探ることで、相手にとって的の得た仮説(構想)提案になるのです。

ただ、これは上述のように経験値も必要で、一足飛びに行かない部分もあり、企業としては、今までの企画書を必ずストックしておく必要があります。

この時はこのような表現方法を使う……この時はこんな見せ方をする……など、若い方々であってもそれを参考にする事で表現方法が見えてくるものです。

これが企業としての立ち位置で、若い方々への教育にも繋がります。

企画を作成する上においては、編集者だけでは無く、どんな職業でも上記の3つのステップは同じです。

如何に精度の高いクライアントの情報を聞き出せるのか?

その高い情報から、どのような切り口で提案すればクライアントに響くのか?

それをどのような表現で示せばよいのか?

企画の極意はこの3つだけです。

最後のアウトプットは作成スキルが必要です。
上記に書いたように、幾ら構想までがよくても、表現方法が低くては相手に刺さりません。

自社や自身でできる事が望ましい訳ですが、スキルのバラつきや属人化を防ぐ為……また、アウトプットの精度を一定基準以上にする為、当面はデザイン事務所やブランディング会社などへアウトソースする事も必要なのかもわかりません。

但し、丸投げでは自身の企画力アップには繋がりません。

自身の企画力アップの為には、しっかりと相手の情報をつぶさに聴く……それを受けて自身で構想を練ってみる…………そしてこのような表現方法にすれば相手に刺さるのではないか?と自身で考える……………………この繰り返しの思考をする事で自身としての企画力は着実にアップして行きます。

アウトソースするのであれば、丸投げでは無く、このような思考をしてからアウトソースするようにしなければなりません。

あとは、量を増やす……日頃、様々な事に関心を持ちその表現方法を感じる………これをする事で成長スピードも上がります。

これからの時代、益々提案営業の時代、「企画力」が問われます。

是非、3つのステップを参考に企画力を磨いてください。