コラム【第40弾】デザイン思考
昨今、デザイン思考という言葉をやたら耳にするようになりました。
デザイン思考とは、
デザイナーが行うプロセスや考え方をビジネスに転用しようというもので、
経営やマーケティング、営業など、
いかなる種類のビジネスにおいても活用できるとされています。
デザイナーは服飾、建築、家庭用品などを表現するクリエイティブな行為で、
デザイン思考は、デザイナーがそれを生み出すプロセスや考え方を指すのです。
では何故?今、デザイン思考なのでしょう?
それは今までの手法や考え方だけの延長線では、
商品開発も、
営業活動も、
経営も頭打ちになってきたからです。
例えば、商品開発の場合、
新たな商品を生み出す手法として、今までは
「マーケティングリサーチ」が重要視されてきました。
市場やニーズ、他社競合品などについて
市場調査をし、
分析結果を踏まえて仮説を導き出し、
検証を重ねて製品を開発する……
という手法がとられていました。
上記手法は言わば
「現在起こっている事」及び「今まで起こった事」の情報を収集し、分析するという考え方です。
従って、これまでの考え方では今までの延長線でしか無く、モノが有り余っている時代…
変化の激しい時代においては、
「マーケティングリサーチ」だけに頼った商品開発をしていたのでは、モノが売れなくなってきました。
現代はVUCA時代の到来と言われています。
・Volatility(変動)……
変化の質・大きさ・スピード等が予測不能であること
・Uncertainty(不確実)……
これから起こる問題や物事が予測できないこと
・Complexity(複雑)……
数多くの原因などが複雑に絡み合っていること
・Ambiguity(曖昧)……
物事の原因や関係性が不明瞭であること
この4つの頭文字を取ってVUCA時代と呼ばれ、現代の経済環境が極めて予測困難となっていると言われているのです。
このような状況下にあっては
今までの考え方や手法だけでは不十分………
そこで、新たな切り口として出てきたのが
「デザイン思考」 という訳です。
デザイン思考の最大の効果は、
イノベーションの創出であると言われています。
つまり、これまでの延長線上にない、全く新しいアイデアが生まれやすいという事です。
今までの『マーケティングリサーチ』は
市場中心の考え方でした。
このデザイン思考の視点は『人間中心設計』にあります。
現代における人々のニーズ、マインド動向からその課題の本質を見極めるという考え方なのです。
最近、物資的価値から情緒的価値へ……
消費者ニーズは変化したと言われています。
モノからコトへ………
以前、爆買いをしていた中国の方々も、
最近では日本の文化や食べ物など体験型にお金を使うようになってきました。
また、各企業はプロモーションを重要視し、
体験イメージを大事にするようになってきています。
ノベルティにおきましても、
単なる「おまけ」や配布型から、
企画デザインを取り入れ、企業イメージの向上に努めています。
これらは全て、モノからコト………
デザイン思考が根底にあるのです。
特に今後の市場が成熟した先進国においては、この考え方が主流となり、「デザイン思考」は進化をし続ける事でしょう。