孔子曰く…

皆さん、こんにちは!!

「暑さ寒さも彼岸まで」と云いますが、今年は彼岸になる前から残暑が和らいだ感じがします。

この様子ですと冬の到来は比較的早いのかもしれません。

一方で、足元の経済情勢は政府見解で下方修正された様です。

私自身、冬は苦手ですが、少し早く寒くなる事で景気が上向いてくれればいいですね。

さて、「読書の秋」ではないですが一般的に企業のトップは本をよく読む傾向にあります。

その中でも1回は孔子の「論語」を読まれていると思います。

私も以前、読んだ事があります。

孔子曰く……で始まる例のモノです。 皆さんも読まずとも知っておられるのではないでしょうか?

何故?世のトップ達はそれを読むのか?と云いますと、恐らくそこには道理や原理原則、本質、考え方に関する部分が多く、万人が聞いても納得をする論拠になっているからだと思います。

従って、何かを判断や決断をする場合、1つの基準、指針になるのです。

その孔子は、弟子を指導する場合、自身の考えを述べさせ、その後、何かしらのヒントを与えて自身でもう一度考えさせ、答えを導き出せる様な指導スタイルをとったとされています。

手取り足取り教えたり、いきなり解決策や答えを示してしまうと、部下は「指示待ち人間」になり、自身の頭で考えなくなりますし、答えを教えられてやった事は身にもつきません。

ある大企業のトップも、「言われた事しか出来ない人間は、何か問題があっても、それに気づかない。また、例え気づいたとしても自身では解決策を考えられないのでどうしてもミスが増える。だから、組織としては問題に気づき、自ら解決策を考え実行出来る提案型の人材を育成しリーダーにしなければならない。そうしなければ部下も育たない」と言われています。

全く以てその通りです。

何もかもそこのトップが判断し、答えを出し進める事は簡単な事ですし、トップとしてはその方が楽かもしれません。

しかし、それでは大局に立った場合、人は成長しませんし、長じて企業も発展はしません。

私自身、「作業ではなく仕事をしなさい!」「自身の考え・意見を持って相談しなさい。」とよく言います。

これらも、作業ばかりを行っていたり、上司に丸投げしたりを当たり前の様に繰り返していると、判断や結論が出せない「指示待ち人間」になってしまうからです。

また、上述の問題に気づくと云う点においては重要なポイントです。

私も「分かってないなぁ」とか「気づいてないなぁ」と感じた時は喧しく言う様にしています。

プロセスを踏まえた大きな失敗に関して私自身、叱る事はまずありません。

ただ、手を抜いたり、一手間を惜しんだ事によるミスは例外ですが……。

大きなミスは恐らく本人がもはや気づいていますので、それ以上に追求をする事はありません。

私が喧しく言うのは、上司を含め誰もが気づかず見過ごしている事柄についてだけです。

これは、上述の企業トップのお言葉を借りれば、それを放置すると、どこが問題かに気づかない指示待ち人間になってしまうからです。

叱る事にはエネルギーが要ります。 会社の為、組織の為、そして何よりも本人の為と考え叱るのですが、出来れば、そんな嫌われる事はしたくないと云うのが誰しもの本音ではないでしょうか?

これもよく言う事ですが、「舞台に上がったらその役を演じきれ!!」と。

会社を舞台に例えた場合、本人の性格は違っても、与えられた配役を演じきらなければならない事を意味しています。

与えられた配役をそれぞれがプロとして演じきるから会社と云う舞台は成り立ち、お客様から拍手喝采を頂けるのです。

その舞台が素晴らしいとお客様が感じてくれればリピーターに繋がり、ロングラン公演になる訳です。

舞台の役割で云えば、社長はプロデュース業で、時には、ディレクター、演出家を兼ねる事はあるかもしれません。

あくまで舞台の主役は、プレイングマネージャーでなくてはならないのです。

映画業界でも、プロデューサー兼監督兼主役と云う映画はなかなかヒットはしません。

プレイングマネージャーがみんなを巻き込みプロとしてお客様に喜んで頂ける舞台を作らねばならないのです。

従って、嫌な事や困難な事があろうとも自分が主役だと云う自覚を持ち、自ら率先して実行し、みんなを引っ張り、叱る所はしかり、真摯に舞台と向き合い、お客様に喜んで頂ける素晴らしい舞台を作ると云う役割を演じきらなければなりません。

嫌な事や困難な状況から逃げていたり、問題に気づかない様では、素晴らしい舞台は作れないのです。

最初から100点満点の舞台などはありません。

足らない部分、出来ていない部分はプロデューサーも勿論の事、舞台を作り上げる主役達自らも問題に気づき、100点満点の舞台にするにはどうしたらいいのか?をみんなで議論をし、ロングラン公演が出来る位の素晴らしい舞台を作り上げて行く……企業の在り方にも相通ずる所があると思うのです。