7つのムダ

皆さん、こんにちは!!

今、私は中国に来ています。

商品の立ち上げが何点かあり、中国の協力工場を何社も廻る予定です。

5月頃にも中国を訪れましたが、広州と云う所は40℃を越えていて、非常に熱かったのを覚えています。

数ヶ月経ち、今回は広州よりやや北側を移動しますが、気温は30℃を下回っていて、比較的過ごしやすい感じです。

今の中国協力工場は、日本大手企業とも取り引き実績がありますので、仕事として当たり前の共通言語で商談が出来ます。

十数年前、中国に来た当初は、仕事の意識レベルが低いローカル企業とのお付き合いが主流で大変な思いをしましたが、それも今は昔と云った感じです。

今回の中国出張、中国の現状などは来週以降で折を見て書かせて頂きます。

さて、話を変えますが、先般こんな本を読みました。

タイトルは「人が育つムダとり」と云うモノです。

これはトヨタ生産方式に見る「ムダとりが利益をもたらす」と云う内容でした。

利益を上げるには、詰まる所、売上を伸ばすか?原価を削減するか?につきます。

トヨタ生産方式では原価削減の為に「7つのムダ」を取れと云います。

その7つとは、 ①作り過ぎのムダ ②手待ちのムダ ③運搬のムダ ④加工そのもののムダ ⑤在庫のムダ ⑥動作のムダ ⑦不良を作るムダ だそうです。

特に「作り過ぎのムダ」は、他のムダを見えにくくするし、在庫を増やして経営を圧迫すると云います。

これには、当社でも苦い苦い経験がありますが…。

これらのムダは、自社生産だけに限らず、委託工場でも同様です。

また、営業や購買その他の部署においても、その生産性の向上と云う観点から見て「ムダとり」は重要なファクターであると云う事は言うまでもありません。

トヨタ生産方式の基礎を築いたと云われる大野耐一氏は「ムダばかりやっとるから、毎晩遅く、ネコの手も借りたい様に人手が足りなくなるんだ」「作業ではなく仕事をしろ」とよく言われていたそうです。

私も似た様な事を僭越ながら口にする事があります。

「作業者ばかり集まると烏合の衆になってしまう」と。

要は、大野氏は「そんな考えで仕事をしていると生産性が上がらないし、利益が低下する方向性に進んでいる」と云う事を仰っているんだと思います。

彼等が云う作業と仕事の定義は次の通りです。

作業とは、お客様や上位者に言われて対処する事や現在起こっている問題や課題に対処する事だそうです。

一方、仕事とは求められる前にお客様や上位者のニーズ、シーズを抽出し対処する事や今後起こるであろう課題に対処する事だそうです。

作業なら、ある程度の事は今日入ったアルバイトでも出来ると云います。

プロたる者は仕事をしなければならないと……。

企業は、云うまでもなくボランティア活動ではなく、営利を目的としています。

利益を追求して行かなければならないのです。

その為にはそれぞれの部署で、会社方針や方向性に則して、如何にムダを省き生産性を上げて行くのか?まずは管理者が……そして部署員が考え知恵を出し実行して行かなければなりません。

これを突き詰めて行くと、各部署独立採算制の京セラ「アメーバー経営」になる訳です。

話は戻りますが、では如何にムダを省くのか?

その「7つのムダとり」のキーワードは「多能工」だそうです。

今や1つの商品が何年にも渡り売れ続け、その受注数量も年々増え続ける事は考えられません。

1つの行程しか出来ないとなると、その商品が低下すると人や設備を遊ばせる事になってしまいます。

これでは経費増となり利益は低下します。

従って、人は多能工に…設備は汎用に…して時代の変化に合わせて柔軟に対応する体制をとる事がムダを無くす事に繋がると云う事です。

これは、全ての部署で云えると考えます。

例えば、サッカー日本代表でも複数のポジションを高いレベルでこなさなければ声が掛からないと云います。

考え方として、相通ずる所があるのではないでしょうか?

完全分業制ではなく、主幹としての仕事、そしてサブ的な仕事を受け持ち、作業ではなく「仕事」をする、これがムダを省き利益を増加させる方向へ導いてくれるのだと思います。