当たり前の基準
皆さん、こんにちは!!
暑いですね。
口を就けば、もう、その言葉しか出てこない感じです………。
明日から盆休みという方々も多いと思いますが、この1週間は全国各地で、これまで以上の猛暑が予想されています。
休みの間、帰省など、お出掛けのご予定も入っていることでしょうけれど、暑さ対策を十二分にお心掛け頂き、お楽しみ下さい。
さて、先般、メインバンクの支店の50周年記念ということで、ご招待を受け、行って参りました。
そこで記念講演を聴講させて頂きました。
「事例に学ぶ企業の成長戦略13ポイント」というものです。
その肝は、「経営の成功サイクル」を回すことに尽きるということでした。
それは、 1)しくみづくり ①ビジョン作り ②戦略作り ③組織作り ④中期計画作り 2)人づくり ①幹部に求める能力 ②幹部人材の発掘 ③育成ストーリー ④幹部育成 3)行動づくり ①組織風土 ②指示・命令 ③報・連・相 ④ PDCA 4)業績づくり ①CS ②ES ③ブランド化 ④収益構造
上述の1)しくみづくり、2)人づくり、3)行動づくり、4)業績づくり、これらを順次、回して行くことで「経営の成功サイクル」が出来上がるということです。
そして、これが確立出来れば、企業は成長し続けるということでした。
最初の「しくみづくり」は社長主導の基、構築することは難しいことではありません。
しかし、次にそれらを実現して行くには、社長一人では不可能です。
社員の方々と共に実行し、形にして行かなければなりません。
その為に、最も重要なプロセスは、「人づくり」にあります。
これが仕上がることで、あとのサイクルはその人達によって簡単に回すことが出来ます。
しかし、中小零細企業においては、中堅や大手と違って、人材的に量と質において、限りがありますので、「幹部人材の発掘」という段階で無理が生じてしまいます。
幹部候補生になり得る人材か?どうか?を、まず見極める為に、教育をし、無理でも一度、チャンスや機会を与え、その中で幹部候補生を発掘し、成長させて行かなければならないという、時間の必要性も出てきてしまいます。
「人の成長」についても、上述の講演で言われていましたが、その定義は「当たり前の基準をあげること」だそうです。
「当たり前の基準」をあげるには、まず上位の基準をあげる必要があります。
何故なら、上位の基準が低く、下位が高い基準では、下位のモチベーションはあがりませんし、不協和音か生じて、もはや組織としての体を成しません。
例えば、部長にとっての「当たり前の基準」は?課長にとっての「当たり前の基準」は?
これらの「当たり前の基準」があがることになれば、必然的に部下の「当たり前の基準」もあがり、強いては会社全体のレベルを押し上げることにも繋がって行きます。
それでも、成長の時間が掛かり過ぎる場合や社内では限界があると判断した場合は、ヘッドハンティングなど、まず社長の右腕となり得る「優秀な人材」を発掘する必要があると思います。
それでは、「優秀な人材」と言いますが、果たしてどの様な人材のことを言うのでしょうか?
一般的には、「論理的思考」と「創造的思考」を兼ね備えた人材ということが言われています。
「論理的思考」とは、理論・道理に基づき、経験や知識の中から最適手法を導き出すHowの能力。
「創造的思考」とは、問題の発見や課題を抽出し、その解決策を導き出すWhat 構築能力。
「論理的思考」は、偏差値と相関関係があると言われています。 いわゆるIQです。
「創造的思考」はその見極めは難しく、大局観・俯瞰・時系列・本質・哲学・逆算・工夫そして仕事に対する考え方や道理などを軸として、物事を組み立てられる力というところでしょうか。 いわゆるEQです。
一言で「優秀な人材」と言っても、探し出すには容易なことではなさそうです……。
社内外共に、「人材を発掘する」「人の成長」は難しい限りです。
まずは、社長の「当たり前の基準」をあげること、そして上位の「当たり前の基準」を少しずつでもあげて行くことに尽きるのかもしれません。
最後に1つ、講師の人がこの様なことをおっしゃっていました。
「銀行には、多くの支店長がいますが、結果を出す支店長には全員、1つの共通点があります。」
「それは、戦術はどうであれ、まず明解な目標設定とそれに伴わうハッキリとした指示、そしてそれを最後までやり抜く、これだけです」と。
ある人は「なんだ?そんなことか」と思われるかもしれません。
しかし、決まったことをやり抜く、この当たり前のことが、本当に出来ているか?と言えば、途中で様々な理由を付けて、やり抜いていないことが多いのではないでしょうか?
言い続ける、やり続ける、これは簡単な様で、実はブレない信念がなければ、なかなか出来ることではありません。
これも言わば、できる銀行の支店長達にとっては「当たり前の基準」なのでしょう。
「当たり前の基準」とは、どうあるべきか?を、各々の会社における自身の立場で一度、見つめ直してみてはどうでしょうか?